デトロイト職人的キーボード奏者/シンガーソングライターAMP FIDDLER(アンプ・フィドラー)の2004年にドロップされた1stアルバム「Waltz of A Ghetto Fly」がENJOY!HOUSEさんお勧めの一枚。そのキャリアは長く、80年代にジョージ・クリントンに見出されPファンクの一員として活躍。その後もジャミロクワイ、プリンス、ムーディマン等のライブ・作品に参加してきた腕利きのベテラン。そのキャリアに裏打ちされた今作品は、幅広い音楽性が聴く事が出来る。ハウスDJがクラブで使いそうなダンストラック、Pファンクの様な粘っこいファンク・モータウンを思わせるソウル。それらの音をアルバム全編に一貫して漂うデトロイトテクノ以降のミュージシャン特有のコズミックな空気で纏められている。
昨年ドロップされ音楽業界に於いて、台風の目になったと言っても決して過言ではないM.I.A.(Missing In Action訳・戦闘中行方不明者)こと在英タミール系スリランカ人マヤ・アルプラガサムの1stアルバム「ARULAR」がENJOY!HOUSEさんお勧めの一枚。ユニット名から、想像出来る通り彼女の生い立ちは複雑で、内線下のスリランカで11歳まで育ち紛争により移民となりロンドンに移り住んだ。亡命してからは、アート界で頭角を顕し2002年から音楽活動を開始。ダンスホールレゲエをベースにヒップホップ・バングラ・グライム・バイリファンキ等の古今東西のビートを掛け合わせて作るトラック。暴力や紛争を絡める歌詞を自在に遊ばせるマイク捌き。M.I.A.にしか作れない00年代の多国籍ダンスホールレゲエアルバムに仕上がっている。